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ぽすと・すくりぷと



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言い訳のようなもの、つまるところあとがき。



僕がまだX学生の頃の話です。
他人と比べても大して誇れる物のない僕は、急に世界を救う力を得るなどといった大きな事件もなく過ごしていました。
年に何度かあるイベントにも熱くもなれず、かといって学期末にあるテストも大して苦に感じませんでした。
別に勉強ができるわけでもないのに、受験に関しても全くと言っていいほど無関心でした。

そんな時、偶々隣に机を並べた女子生徒(ここではNさんにしておきましょう)が運命の出会いでした。
別に恋愛云々ではなく、暫くする内にNさんの思考が手に取るようにわかるのです。
つまりは運命というべきかドッペルゲンガ―の様な存在だったのです。
もちろん男と女、姿形は似ていませんが、内面というか性格までも全く一緒でした。
相手も同じようにこちらの思考を容易く読み取ってくるのです。
それから一年、Nさんとはたぶんクラスの中で一番の友達でした。

そう、一年だけ友達でした。

その後彼女がどんな道を進み、今どんな事をしているのかも分かりません。
たぶんもう一生会うことはないでしょうし、会うつもりもありません。

何故ならドッペルゲンガーには出会うべきではないから。
たぶんあのまま友達でいたのなら、お互いに絶望し両方とも死んでいたかもしれません。
僕が彼女に対して嫌悪するところは、即ち自分に対して嫌悪するところなのですから。

でも、そんな彼女を僕は色々な意味で好感が持てました。



ま、作り話はさておいて、
後書きというのは追伸とまったく一緒の意味でして、これもまたポストスクリプトということになります。
くだらない挨拶はとにかく、ようやく全八話をもちまして閉幕という形になります。
ここまで色々と影でフォローを入れてくれた方、ありがとうございました。
貴方の何気ない言葉が僕のやる気を回復したりダメージを与えたりしてくれました。
別に特筆して書く様なものはないのですが、あとがきを挟む事によって、
何か形として"ぽすとすくりぷと"が着地した証を此処に詰め込んでおく事にします。


これを未来の自分が見ればきっと稚拙な文章だと顔から火炎放射が出るほど懊悩とするでしょう。
でも、恥ずかしがるという行為こそが、自らがこの時点から少しだけ成長した証だと信じたいです。


■ぽすと・すくりぷと 07
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